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Category: セールストレンド

なぜグランドがAppleのおいしいところを持っていくのか?!

この文書を書いた日に(2016/9/7)、Apple iPhone 7の発表会が行われました。勿論、ソーシャルメディアでのニュースは正反論の一方でしたが、私は気付いた面白いところは両方とも製品に関係ないところでした。但し、上手く話題性を利用した他社ブランド名がiPhone 7の議論中に現しました。その中、iPhone 7の機能の斬新さ、進化を問わず、Apple社を揶揄うと同時に、自社ブランドをアピールした例もありましょた。 羨ましくなくても一秒でiPhone 6をiPhone 7に変身。 iPhone 7が発売する前に、最も噂になったのはイヤホンジャックの廃止でした。「本当に廃止になるか。今まで使ってきたイヤホンを海に捨てるのでしょう。」などの議論もありました。 ▲やはり、iPhone 7が3.5mmのイヤホンジャックを廃止し、Lightning端子を使用 やはり、iPhone 7がイヤホンジャックを廃止し、Lightning端子を使用したEarPodsを開発しました。そして、3.5mm変換アダプターの両方が付属することで、従来の問題を解決したのです。(或いは電動歯ブラシに揶揄われたEarPodsを使っても良いのです。)但し、こういった解決方法が世論を抑えることができませんでした。 ▲変わった外見のAirPodsは電動歯ブラシに似ていると揶揄われた。 ネットで話題になった一秒iPhone 6をiPhone 7に変身するApple社史上最も軽い製品のApple Plugがありました。一見すると、本当のことだと思った彼女はこう述べました。 「今の 2009年ではないですので、フロッピーディスクもイヤホンジャックも必要ではありません。iPhone 6、6sが発売した時に、我々が未来を迎える準備が整えていなかったですが、今こそ、Apple Plugは最も完璧なソリューションであり、イヤホンジャックをアルミ製のアダプターであなたと未来を繋いでいきます。 イノベーションはいつでも目で見える訳ではないです。Apple Plugを良く観察しますと、シームレスの充填技術で去年前に発売した携帯を現代のApple社のクラシック製品に変身することができます。そして、Apple

『Columbia Survival Labels』は釣りも、火おこしも、コーヒーだっていれられる!?洋服のタグを捨てられないこと間違いなし

あなたも洋服を買ったことがあるでしょう。けれど、洋服に付いている「価格、洗濯表示、お手入れ方法」のタグを真剣に見たことはありますか?洋服を買って家に帰り、一番にする事とといえば、それらのタグをぜ~んぶ切り取ることでしょう! タグは大多数のブランドにとって必ず必要であるものですが、消費者にとってはさほど重要ではありません。しかし、現在あるブランドはタグをブランドにとってプラスとなる優れものに変えただけでなく、あなたもきっと捨てるのが惜しくなってしまう素晴らしい道具にしました。一体どうやって!?それでは一緒に見てみましょう。 アメリカ発、アウトドアスポーツウェアブランドで有名な『Columbia』がブランドの「アウトドアスポーツ」という特徴を強化するために登山・キャンプ・釣りを楽しむ人たちのニーズに対し、使い捨てのタグを、木を切るのに使ったり、破れた服を繕ったり、川の水をろ過したりできるステンレスのサバイバルアイテムにしたのです。     ▲本来洋服のサイズを識別するためのタグが、ステンレスの分解可能なノコギリに。 これらの多機能のステンレスタグは、レーザーカット技術を利用しており、元々一枚の長方形の説明タグから様々な形をカットし、簡単に切り分けて異なるサバイバルアイテムにすることができます。 このシリーズは1セットで計6種類あり、その基本的な機能は以下の通りです。 日時計(太陽を利用して現在の時間を知ることができる)、   裁縫キット(洋服を繕うだけでなく、袋を閉じるボタンも付属)、   釣りキット(釣りができる釣り針、釣り糸)、 六分儀(今居る場所を確認することができ、缶切りとしても使用できる)、 ノコギリ(木を切るだけでなく、木の摩擦を利用して火を起こすこともできる)、 浄水フィルターキット(浄水機能だけでなく、挽いた粉末コーヒーも付いていて、浄水してコーヒーをいれることができる) その他、どのタグにも「使用方法」のレクチャー動画のリンクが記載されており(でも、見つかりませんでした)、家に帰ってその通りに自分で上記の道具にセットすることができます。これらのタグのセットが洋服に付いています。 https://vimeo.com/170142197 実用的かどうかは重要ではなく、それを取っておきたいと思い、常に「ブランドの存在」を喚起させることが重要なのです 本当のアウトドア好きにとって、この日時計でもありノコギリでもあるタグは、実用性では便利なアーミーナイフには及ばないかもしれません。しかし、それが何か?SUVを運転する人の大部分が決して山野を走るために乗っているのではなく、Air Jordanを履く人もまた本当にバスケットが上手とは限らず、Macbook Proユーザーが必ずしもデザイナーなわけではありませんよね。ポイントはここです。 「私たちが買うのは商品そのものではなく、商品が私たちにもたらす素晴らしいイマジネーションである」 Columbia Survival

Kit Katはどのようにして他のブランドの『休むことのない』広告の主人公を休憩させたのでしょうか!?

「Have a Break,Have a Kit Kat 休憩しよう、キットカットを食べよう」はネスレの『キットカット』チョコバーの広告で必ず使われる有名なキャッチコピーです。 広告で絶えずキャッチコピーを繰り返す目的は、消費者に「休憩の時」に自然と「Kit Kat」と連想させようとしているからです。しかしこのようなブランドの大きな夢は、口で言うだけでは不十分で、最も有効な方法は消費者に本当の意味でこの言葉の意味を理解させることでしょう。Kit Katは驚くべき独創性で、一目見れば「Have a Break,Have a Kit Kat」とは何かを感じることができるようにしたのです。 Kit Katはコロンビアで新発売するチョコバーをプロモーションするために、コロンビアの首都ボゴタの最も栄えたエリアで、屋外広告看板を利用して宣伝することを決めました。屋外広告看板は山ほど見たことがありますが、こういったものは見たことがありません。なぜなら今回Kit Katが用いた屋外看板は、おしなべて他のブランドの広告だったからです。極めつけでしょう! 休憩しようというキャッチコピーは皆理解できると思いますが、問題はどのようにして消費者に休憩とキットカットを結び付けさせるかでした。 Kit Katは思想を『休むことのない』広告主人公に持っていきました。「『休憩しよう』をプロモーションするなら、人々が慣れ親しみすでに屋外に貼られて時間が経ち、雨の日も風の日も仕事をしている広告看板の人物に、Kit KatでHave a Breakしてもらおう」という概念です。 まず、Kit

製造時間により商品名が変わり、それが最も新鮮なオレンジジュースだということを証明する!

多くの人が生搾りのジュースを飲むのは、健康、活力と豊富なビタミンCのためです。そのため、オレンジジュースは新鮮なだけでなく、搾りたてで、果汁100%のものが選択の基準となります。 しかし、実際に目で見て確かめる以外に、すでに包装されたジュースが、それを売っているのがジュース専門店であっても一般の商店であっても、新鮮搾りたて果汁100%と謳ったものが本当に新鮮がどうか、どうしたら確認できるのでしょうか?ひょっとしたらあなたの知らない粗悪なものが混入されているかもしれません!? どのオレンジジュースも自身が最も新鮮だと謳っていますが、どうしたら瞬間的に理解できるのでしょうか。 統計によると、世界では毎日5億5千万リットルのオレンジジュースが売れており、その半分がヨーロッパに集中しています。このような厳しい競争環境において、仮にきらびやかなうたい文句とキャンペーン価格で人を引きつけたとしても、「本当に新鮮な搾りたて」だけがオレンジジュースを勝利の王道に導くことができるということを否定はできないでしょう。 しかしもしあなたの目の前で「注文を受けてから、その場で搾る」ということができない場合、一体どうしたら、このオレンジジュースが十分に新鮮であると信じてもらえるのでしょうか? フランス第3位のスーパーマーケットチェーンであるIntermarcheは、消費者を観察することで、前代未聞で、まるで想像もつかなかった、時間に応じて名前が変わる商品を売り出したのです! Intermarcheは回りくどいことはせず、新鮮さを連想させる美しい商品名をつけ、さらにオレンジジュースが製造された時間を直接大きく表示しました。それぞれのオレンジジュースの商品名はそれが搾られてジュースになったその時間なのです。この方法により、消費者にその新鮮さを理解させるとは、何とストレートなのでしょう! 分単位の新鮮さ 『8:36』のオレンジジュースを例にすると、その名前の示す通り、このオレンジジュースは8:36にIntermarche内で製造、包装、陳列されたものです。さらに時間により異なる需要量に応じてオレンジジュースを製造することで、ロスを防ぐと同時に新鮮であるという品質を確保しました。 ▲全てがIntermarcheの中で起こり、オレンジジュースの品質が非常に新鮮であることを保証している! ▲陳列棚の横の大きなオレンジジュースの看板は、きっとあなたの注意を引きつける!   通常、新鮮搾りたてとうたった果汁100%ジュースには、お世辞も言えないほど高い値段がついています。売手も消費者が価格で品質を判断するという習慣を的確に把握しており、「私は本当に新鮮で搾りたてですよ。さもなければどうしてこんなに高く売れるのでしょう?」という印象を持たせ、あなたを騙すのです! しかし製造時間を商品名に持つオレンジジュースは、1.5ユーロという比較的求めやすい価格です(約53台湾ドル)。 ▲それぞれのパッケージでオレンジジュースの製造時間についてのショートストーリーを強調し、この商品が新鮮で、生産されたその時間からきていることを説明している。 Intermarcheはパッケージのデザインを変えただけで、消費者に一目でオレンジジュースの新鮮さを認識させ、ジュースが新鮮かどうか判断がつかないという混乱を解決したのです。さらに求めやすい価格もあり、売り上げに直接的に寄与しています。 他のパッケージのジュースが製造日でしか鮮度を表現できないのに対し、Intermarcheは分により自身が「一番新鮮」であることを証明したのです。あなたが消費者だったら、どちらを買いたいと思いますか?  

東京の新しい観光スポット?あなたがどこの国の人か識別できて、観光客の言葉の問題が解決し、消費を生み出せるデジタルサイネージ『ainz & tulpe Looks』

日本人は全体的に英語ができないということは、すでに世界的に認識されています。ですが、世界各地からやってくる観光客は後を絶ちません。 何年も前に、東京のとあるプラットホームである場所に行こうとした時、駅員さんに地図を指しながら下手な英語で「ここに行きたいんですが、どのプラットホームで乗車すればいいですか?」とたずねました。すると、その駅員さんは言葉を発さず、手をあげて急いでサービスカウンターに戻りました。一体どういうことだろうと思いながら、彼が戻ってくると、なんと計算機を持っていました!!!間違いない、これは計算機だ。それから、真剣に私に計算機を見るようにしむけ、「12」の数字を押しました。その瞬間分かりました。彼は最初から最後まで一言も英語を話しませんでしたが、私の問題を完璧に解決してくれたのです。私は嬉しい気持ちでプラットホームに向かい、目的地に行きました。 日本人は当然「言語」が自分たちの強みではないが、「テクノロジー」は強みであるということを知っている このように、道を尋ねたり、食事を注文したり、値段を尋ねたりという悩みは、ボディランゲージや身振り手振りを使えばたいした問題ではありません。しかし、日本がもっと観光による利益を上げたいと思うなら、真心だけに頼っていては解決できず、より多くの方法が必要でしょう。最もポピュラーで最も地味な方法、それは、中国語のように観光客数の多い言語に合わせ、その言語を話せるスタッフに対応させる、それでおしまいです。しかし、テクノロジー大国である日本は、当然これでは満足しません。 OLが必ず訪れる場所と言われている、東京で大変有名なドラッグストア『ainz & tulpe』が、今年7/26から、新宿東口店外に「デジタルサイネージ-Looks」を設置しました。一面のテレビ画面壁+インタラクティブデバイス+顔認証技術を応用し、消費者の言語の問題の解決をサポートするだけでなく、より多くのビジネスチャンスの可能性を創造しました。 このデジタルサイネージは、店内で購入できる商品を利用しており、有名なメイクアップアーティストKazuko Hayasakaさんが手がけました。今最も流行しているトレンドのメイク顔のモデルが画面に表示され、デジタルサイネージの前を通るとモデルの視線があなたに移り、足を止め、気に入ったモデルの前に立ち、スクリーンをタッチすると、クーポンや、そのメイクで使ったアイテム等の関連情報を手に入れることができます。そして注目すべきは、その顔認証技術です。あなたがどこの国の人かを推測できるのです。ビックリでしょう!?そして、あなたの母国語でこれらの情報をプリントアウトします。クーポンを持って店内で買い物するだけで、割引サービスを受けられるだけでなく、3分以内に画面上のお気に入りのメイク顔にしてくれます。これって親切ですごいサービスですよね! ▲あなたがどこの国の人か識別することができ、その国の言語のクーポンを発券。 ▲Looksのサイトでメイクに関する情報が掲載されています。 ▲有名メイクアップアーティストが手がけ、すべて店内の商品を使用してレクチャー。 顔認証の成功率がどのくらいか、何種類の言語に対応しているか分かりませんが(分かっているもので日本語、中国語、英語)、どうあれ、これはユニークな“ウィンドウショッピング”体験となるでしょう。言語の問題を解決し、店の前を行き交う消費者の視線を集めるだけでなく、SNSで話題を生み出しました。さらに、これらのクーポンは消費者が“必要”として手に入れるもので、路上で適当に配るものではなく、両者の違いは、取引達成の転換率において顕著に現れるでしょう。 最近東京に行く予定はありますか?その時はぜひ体験してみてください。システムはあなたをどこの国の人だと認識するでしょう!正解か、それとも間違いか?ついでにフェイスブックにアップして、みんなを笑わせるか、絶賛してもらいましょう!

無視できない小ささ。映画《アントマン》に見る小さなマーケティングのヒント

初めてこのポスターを目にする方は、虫眼鏡を手にとって「真ん中のあれは一体なんだろう?」と、目を凝らして見てみたくなることでしょう。あえてはっきり見せないという奇想天外な映画のマーケティングスタイル。一体どんな内容なのでしょうか? 《アントマン》は、今年7月に上映予定の、「史上最小のスーパーヒーロー」を謳った映画です。アベンジャーズでおなじみの、マーベル・コミックの作品で、「アントマンの戦闘スーツを着ることで、アリのサイズにまで縮むと同時に、巨大な力が備わる」という矛盾の塊のようなストーリーが印象的です。まずは映画の予告をチェックして、そのパワーを感じてください。 ▲アイアンマンの戦闘スーツ。 ▲着るとアリのサイズにまで縮むことができる。 アントマンは、当初から「アリが見る世界」というあり得ない視点でマーケティングを進めました。最初の予告動画のターゲットは、お金を払って映画を見に行く人間ではなく、なんとアリ!史上初のアリに向けた予告動画と称し、これを実現させたのです。全く人間を無視した動画で(以下の動画)、それから4日後にようやく「人間用拡大バージョン」が公開されました。 これは「予告で別の予告を予告する」という手法です。実に巧妙で、話題性もあり、多くの人の注目を集めることに成功しました。 YouTube動画やポスターといった、映画の常用マーケティング手法を利用するだけでなく、屋外広告も忘れてはいません。アントマンは、オーストラリアの人通りの多い屋外を選び、バス停の看板、T字バー…等の広告を掲載。やはり、同じようにありえない小ささです。 ▲通常のバス停の隣にアントマンのバス停が。とってもキュート。 ▲道端にひっそりと建てられた目立たないT字バー看板。 意図的な「小ささ」 こういった、小さな力で大きな効果を得るような注目の集め方は、昔から非常に効果的な方法とされています。これまでにも素晴らしい効果を上げた例があります。世界自然保護基金(WWF)は、設立50周年の際、再度、人々に熱帯雨林の問題に関心を持ってもらうよう喚起する目的で、かつて何百回と繰り返されてきた叙述スタイルから脱却し、リアルな「アリのデモ」という、これまでに無い表現法を採用しました! WWFは、レーザーカット技術を利用して、アリたちが毎日運ぶ葉っぱに伝えたいメッセージを小さな文字で刻みました。例えば、「樹木を守ろう、森のために、伐採禁止、今すぐ募金を…」などなど。なんと、これらのメッセージが刻まれた葉っぱを本当にアリの兵隊たちに担がせ、森の中でデモを行ったのです。本当に驚きですよね! ▲アリたちがメッセージを刻んだ葉っぱを運び、ジャングルの重要性に目を向けるよう人々に訴えかける。さすがに無視できません! 特別だからこそ、広く注目を集めることができる 現代の消費者の一人として、毎日あらゆる情報を受信している私たちは、ものの1秒で「この情報が見るに値するかどうか」を判断する能力を見につけています。そのため、ラバーダックのように、見ずにはいられないほど巨大なものから、ハエの宣伝隊のようにうっとうしく目の前を行き来するものまで、ブランド側もまた知恵を絞りながら、異なる方法で同じ情報を伝えなければならないのです。 ドイツの出版社Eichbornは、フランクフルト・ブックフェアで200匹のハエに体とほぼ同じサイズの「ハエ出版社」と記された広告タグをつけ、広告として利用しました。広告を装着した生きた広告隊たちが会場内を飛び交い、ぴったりのターゲットを見つけるとそこに着地(実際は「重荷」をつけたハエたちも疲れるため)します。会場を歩いていれば、自ら飛び回る小さなフライヤーに気づかずにはいられません。あるいは、異物が自分の体に落ちてくれば払いのけますし、突然目の前に何かが飛んでくれば注目して避けようとするものです。理由は何であれ、視界に入れるという目的は達成できるわけです。それに、このEichborn社のロゴは、まさにハエなのです。(参考:G!VOICE、Vol 29 ゲームショーをこうしてマーケティングしては?) アントマンの例のように、ブランドが工夫を凝らし、人々が通り過ぎても、見逃してしまいそうな小さな看板を現実の世界に設置してみたり、「アリのためのOOXX」といったニュースや動画を作ったりすれば、私たちもスクリーンを見て笑ってしまいますし、どんどんシェアされることで、より多くの人が目にするようになるのです。これこそが特別な力なのです。 アイデアとは、時としてこんなにも単純なのです。普通という枠を越えるだけで、史上最大であろうと史上最小であろうと、最遅、最速、最多、最少、最高、最安…、つまり、その他大勢と一線を画せばいいのです! 作者紹介ネットマーケティング観察家 Mika1960年代生まれ、消費性産業のマーケティング領域で数十年の経歴を持つ。ブランド戦略から、プロダクトコンセプト確立、販売開始、立ち上げまで経験。従来のマーケティングモデルのみならず、Web2.0、Social Mediaの変化にも注目している。

なぜTeslaは驚きの、でも非実用的な『インセインモード』を発表したのか?

初めてこの動画を見た時、心の中で『オーバーでしょ!』と思いましたが、動画の中で一人、また一人とみんなが同じ反応をしている姿を見て信じました。しかしそれよりも、『なぜエコが強みである電動自動車が、速さを強調する必要があるのか?』ということが気になりました。 私を信じさせたこの動画は、Tesla自動車の新型車Model S P85Dが発表した新たなドライビング機能である『インセインモード Insane Mode』のサイドショットの試乗動画です。名前どおりのこのモードは、自動車を静止状態から時速96 kmまで加速させるのにかかる時間がなんとたった3.2秒! 3.2秒と言われても実際なかなか理解しにくく、スーパーカーと同じ位の速さかなと思う程度でしょう。しかしそれってクレイジー?では見てみましょう。 『どうせこの人たちは選ばれた役者さんでしょ』と思うかもしれませんね。そこで、もうちょっと“平静な”人を探してみました。すると、Teslaの創始者であるElon Muskが自ら運転し、Bloombergの記者が試乗した動画を見つけました。う~ん、そこまで芝居がかった反応ではありません。しかしこの記者もやはりジェットコースターに乗っているように、叫んだだけでなく、よく見かける『思わず出てしまう笑い』の反応を見せました。 他にも、実力十分、同様に691馬力を持ちながら、しかし0~96km/hとさらに速く、たった2.9秒のLamborghini Aventador、ガソリンで走るスーパーカーの登場です。スーパーカーの世界では常に勝ち組ですが、スタートの瞬間は見ての通り雷に打たれたように、加速の後半になってやっと追いつきます。 『P85Dは本当に速い』これは疑いようがないでしょう。ただ、Teslaは何を考えているのか、なぜ『スピード』を強調するのでしょう? この問題に答える前に、まず考えてみて下さい。もしあなたがTeslaのブランドマネージャーだとして、Tesla P85Dをどう位置づけますか 地上で最も速く加速する『スーパーカー』ですか? それとも最も速く加速する『電動自動車』ですか? 気づきましたか?この両者の違いは、セグメテーションにあります。一方はスーパーカー、一方は電気自動車で、二つを混同して議論できません。理由はいたってシンプルです。P85Dがどれだけ速く加速しても、やはりスーパーカーと呼ばれるに足りません!また、もしスーパーカーと並べて比較した場合、0~100の加速だけでなく、誰もが認めるスーパーカーに必須とされる『300km以上の超高速、注目を集める超流線形の外観、テンションがぐんぐん上がる轟き、地上を飛ぶようなスーパードライビング』の“標準装備”が、P85Dには全くありません!さらに、スーパーカーは『常にメーターを気にしてあとどれだけ走れるか』という純電動自動特有のマイル不安障害の心配がありません。(別のスーパーカーをベースとした純電動自動車 M. Benz SLS AMG Electric Driveは、激しい運転状況下で、たった7分間に44%の電力を消費し、まさに電気消費モンスター。その上ガソリン版よりもさらに高額です!!!) ▲ガソリン版をベースに作られた双子の電動スーパーカー(右)は性能も徹底している。 電動自動車が速さを強調するってどういうこと?

Smartは如何にして人からのマイナス評価をブランドの強みに変えたのか!

皆さんはSmartという車をご存知ですか?オートバイのように2人までしか乗せることができないのにオートバイ10台分の値段で売られており、一番安いSmartでさえ新台湾ドルで65.5万元です。車体の全長はたったの2.69メートルという信じられない短さ。エンジンの排気量は1000CCにも及びません。ところが、多くの消費者から「電動車いす」と言ってからかわれていたこの小さくてスピードの出ない車が、なんと最近史上最大のシティーカー(City Car)となって現れたのです。これはいったいどういうことなのでしょうか? Smartが1998年に初めて市場に登場した際に強調したのは、都市での運転に最適な超小型車で、運転しやすくブレーキが利きやすいうえに燃費がいいという点であり、「大」とは全く縁の無い存在でした。ところが最近作成されたプロモーションビデオの中では、Smartよりも大きいばかりか、さらにすべての乗用車を遥かに上回る大きさの、市場のニーズに逆行したBig Smartが紹介されているのです。 ▲巨大なBig Smart! ビデオの中では、「新たな時代を迎える今、大きく考えるだけでなく、大きく行動しなければならない。その存在を無視することができないほどの大きさで」と語られています。ご想像ください。この車はとても大きいので、道端に停めたとき、遥か遠くからでも一発で見つけることができます。「どこに車を停めたっけ?」と頭を悩ます心配はもうありません。 ▲これほど大きな車は、その存在を無視することさえ困難。 しかもこの車はとても車体が高く、空調設備を装備する必要がありません。天井がとても高いため熱い空気は自然と上部にたまり、冷たい空気は低温に保たれるので、ドライバーや同乗者はいつも快適な温度で過ごせるのです。また、広々とした車内空間は将来人類が進化して背がどんどん高くなるといったニーズにも対応することができます。こんなに大きな車はどうやってUターンするのかって?Uターンなんて必要ありません!後ろ向きで走ればいいのです。 ▲天井が高いので自然と空気の対流が起こり、空調を必要としない!? 車は大きければ大きいほど燃費が悪いというのは確かにその通りです。しかし車の行列の前でみんなの風除けとなり、後続車の役に立つことができます。つまり風の抵抗がなくなった他の車の燃費効率が飛躍的に向上するのです。私たちはこれを「共感エコEco-Empathy」と呼んでいます。 ▲大きいことのメリットは、みんなの風除けになれること! 聡明なあなたはきっと一目見てすぐにお分かりになられたでしょう。そう、これは逆説的風刺の手法です。つまり大げさすぎるほどの「大」を用いて、「小」の良さを考えさせるのです。「小さいから駐車しやすい」「小さいから都市の中を行ったり来たりするのに便利」「小さいから燃費がいい」などなど…… きっと山ほどのメリットに気が付くことでしょう。しかしこの手法はSmartが新しく考え出したものではなく、1959年にすでに登場しているのです。フォルクスワーゲンのビートルは車体の小ささと小回りの良さが売りで、大きさで勝とうとはしませんでした。当時、車も道も人も何もかもが大きいアメリカの市場で、その大きさを謳うアメ車に立ち向かっていったのですから、これはかなり厳しい挑戦でした。ところが、『Think Small』の平面広告によって新たな時代が切り開かれたのです。 伝統的なメディアしか存在しなかったその時代には、含みのある表現方法によって人々に想像力を発揮してもらい、「小ささのメリットを考えてもらう」ことしかできませんでしたが、デジタル時代の今は映像によってダイレクトに示すことができます。一台の巨大な車が実際に道路を走る映像を見せて、「ただ大きいだけで使い物にならない」とはどういうことかを実感してもらうのです。 スピードの遅さについて、Smartは如何にスマートにデメリットをメリットへ変えたのか? これまでの考え方であれば、メーカーは絶対に自分たちの短所を暴露しようとはせず、何がどうあろうともひたすら自画自賛し、消費者を馬鹿にしてSmartが勢いよく駆け抜けるプロモーションビデオでもつくっていたことでしょう。しかしSmartはそうしなかったばかりでなく、逆に速さを売りにする3台の車、フォード・マスタングとアウディとポルシェを用意してレースをさせたのです。思った通り、どの車と競っても、Smartは惨敗。しかし賢いSmartは最後のレースでルールを変えました。もし今回競うのが「最高速度」ではなく、街の信号で止まった時の「スタートダッシュの速さ」だったら?さて、結果はどうなるでしょうか? そうです。街の中で走るときに時速250キロの最高速度は必要ありません。信号のスタートダッシュで他の車よりも速く前に出られるあなたこそが勝者なのです。 ▲最高速度は、街の中において何の意味もなさない。 自分が何者かをはっきりさせて着実に歩めば、あなたも巨人 Smartは、多くの台湾ブラントがしばしば犯しがちなある共通の失敗を犯していません。それはつまり「自分の椀が食べ終わると他人の椀まで食べたくなる」という過ちです。他のブランドの優れた「規格」を見ると自分も負けられないと思い、つい自分が何者であるのかを忘れてあれこれ付け足しているうちに、結局は人より優れたものが何一つ無くなって、何者なのかわからない存在になってしまうのです。それとは対照的に、Smartは己の強みと足りない点をはっきりと理解し、すべての人の要求を満たすことはできないことを知っています。そして消費者が必要とする、Smartが与えられるメリットだけを追求し、それを声高く叫び、消費者の目に見える形で提示しているのです。 巨人であるかどうかは必ずしもその大小とは関係がなく、ただその人に自信があるかどうかで決まることがあるのです。 圖片來源:http://www.autoevolution.com/news/smart-launches-brabus-xclusive-red-edition-at-geneva-photo-gallery-77962.html#http://goo.gl/kqEAXahttp://goo.gl/N4Aukdhttp://goo.gl/EuyVzbhttp://goo.gl/FFh354http://goo.gl/Xzf6sThttp://goo.gl/eGd5EFhttp://goo.gl/T06H8Q

お金は出ない、でも『お金よりも沢山のもの』を出すATM、 人をハッピーにするTD Trust ATM

もしATMでお金を引き出そうとして、出てきたのがお金ではなくディズニーランド行きの航空券だったら、それとも『5万円引き出そうとして10万円もらえた』!そんな時あなたはどんな反応をするでしょう? カナダの信託銀行TD Trustが、お客様にサプライズを提供するため、《TD Thanks You》イベントを行いました。『TD Trustはあなたを理解する銀行』というメッセージを伝えるため、いくつかの地域でこっそりATMを、見た目は普通の物と同じ自動感謝マシーン (Automated Thanking Machine) に改造しました。銀行に入り、カードを入れ、マシーンを操作しようとした時にやっと、『このマシーンは自分をよく理解している』ことに気づきます。 ▲見た目は普通のATMとほぼ同じ。ただ普通よりも人をよく理解した自動感謝マシーン。 このマシーンは『こんにちは!』とあいさつするだけでなく、コミュニケーションもできます。あなたの名前を正確に呼び、嬉しい事や悲しい事、最近あなたに起きた出来事まで知っていて、 自分に相応しいプレゼントを受け取ることができるのです。ある人は特別にお金がもらえ、ある人は『ATMからは出せない』プレゼントがもらえます。それは花束かもしれませんし、ある都市へ、家族や友人に会う為の航空券、はたまた球技のユニフォームセットかもしれません…。もし自分がそのラッキーな人物だったなら、きっと嬉しくて笑顔を抑えきれないでしょう! お客様は神様。それは口だけではありません あなたも私のように、なぜこのマシーンが客の名前を知っていて、さらにその好み、最近起きた出来事まで知っているのかと不思議に思いませんか? その真相はこういうことです。TD Trustはまず支店の職員をたずね、彼らがこの特別なサプライズを受け取るに値すると思う客を選びます。そして、これらの客に『新ATMサービスのテストへの参加に招待します』と伝えますが、特別なプレゼントがある事は伝えません。 特別に選ぶのですから、銀行も必ずストーリー性のある人を選びます。そしてこれらのストーリーは、すべて客と銀行員が日常のやり取りの中で得た情報です。そのため、銀行は何が起きたのか知っていて、どんなものをプレゼントするか、もちろん彼らが誰かも知っているのです。 ▲お金を贈るようなありきたりな方法だけでなく、心を込めて招待カードを用意し、子供と一緒のディズニーランド旅行へ招待。 その内の一人、野球好きで、トロント・ブルージェイズのあるファンは、ブルージェイズのユニフォーム、キャップをもらっただけでなく、さらなるスペシャルサプライズとして、かつてのメジャーリーグのホームラン王であり、現在ブルージェイズの右外野手であるJose Bautista自らがこの幸運な当選者を招待し、『お金があっても必ずしも実現できるわけではない』次のゲームの始球式のゲストになりました。 最も感動的なのがあるお母さんで、彼女の一人娘はよその土地でガン治療の手術を受けたばかりで、TD Trustは娘さんに会いに行けるように、往復の航空券をプレゼントしました。 さらに、選択リストに無い、マシーンを使用しない客たちも、TD Trustは損をさせません。7/25当日の午後2:00、どんな方法でも、カウンターまたは、ネットバンクの利用者全員が特別に20米ドルの予想外の小切手を手にしました。

Lady Gaga Born This Wayのマーケティングを垣間見る

世界で活躍する2大「ブランド」である、フェイスブックのファンページ上で、3600万名のファンを擁するLady Gaga。それにさらに2200万名のファンを擁するStarbucksが加わり、合体したらどのような新しい姿になるのでしょうか? 今年の5月、みなが注目するLady Gagaがニューアルバム《Born This Way》を発売し、Starbucks、Google、Amazon、会員のみの贅沢なネットのGilt、音楽ゲームのTapulous、慈善団体のRobin HoodおよびZynga…等、10を下らないブランドが集合し共に盛り上げました。中でもStarbucksとZyngaが最も面白いものでした。 Lady Gaga + Starbucks = SRCH ( Search ) StarbucksとLady Gagaは共同でインターネットと実体のSRCHを融合させた宝探しゲームを行いました。このイベントには全部で七つの謎があり、毎週ごとに問題を発表し、謎を解いた人は10ドルのモバイルカード、25ドルのiTunesギフト券またはHeartbeatヘッドホンといったプレゼントがもらえます。 このゲームの難度は高いとは言えませんが、ただ一目では見破ることができず、必じ時間がかかりしかも非常に面白いものです。答えはいずれもLady Gagaおよびこのアルバムに関するものです。第二回の問題を例にとって見てみましょう。第1の手がかりは意味不明な「yrolg f_egde I dna uoy lepahc…」という問題で、なんとこれは《Born

GT5クリック&モルタルの興味深い広告

現代のブランド活動において、インターネットはすでに必要なマーケティングツールとなっています。経営理念を広く宣伝するオフィシャルサイトにしろ、或いは新製品の発売にしろ、一般的にインターネットが主要なコミュニケーションツールとなっています。このような風潮が長年続き、ますますバーチャルと実体を併用した方向へと発展がつづいています。あるものは実体からバーチャルへ、あるものはインターネットから実体への流れが期待されています。どのような方法で進めるにせよ、その目的はいずれも消費者とよりインストラクションを深めることにあります。今回はいくつかのクリック&モルタルを上手に利用した例について紹介します。     GT5 Banner Ads + Google Street View   PS3は「グランツーリスモ5 GT5」このリアルドライビングシミュレーションレースゲームです。特にインターネットでは「直接バナー上でレースができる」という広告を出しました。ちょっと聞くと、とてもすごい事のようですが、実はGoogle Mapのストリートビューを利用して、プレイヤーがコックピットに座って、有名な高級スポーツカーで街を乗り回すことをシミュレーションしたものです。Google Street Viewの特色とは、Googleが360度フルビューカメラを搭載した車を利用して、各都市の街を走り、実際の風景の写真を1枚1枚撮影し、それらをつなぎ合わせて「あたかもその場に居るような」インタラクション可能な場面を作り出していることです。3Dシーンの中で、360度を見渡すことができ、道路に沿って前進や後退ができ、まるで実際に現場を走っているようです。   Google Street Viewの特色とGT5のリアリティの追及という売りは図らずも一致していました。GT5では、ロンドン、東京、マドリード、ローマなど世界のいくつかの主要都市の実際の街道をサーキットにしたものがすでに用意されています。もちろん画面の細やかさの程度は、空、建物、道路、景観などいずれもGoogle Mapよりもはるかに優れています。   GT5のバナーについては、イベントオフィシャルサイトへリンクしなくても、広告上で「リアルドライビングレースシミュレーションとは何か」をテストプレイして体験することができます。カーソルと上下左右の方向キーを利用するだけでレーシングカーをコントロールします。気軽にローマや東京、ロンドンの街が選べます。   GT5は製品の特色をGoogle Mapのストリートビューと高度に結びつけることによって、ターゲット対象をインタラクティブに参加させ、更にもっと商品情報を知りたいと思わせます。このようなやり方は単純に分かりやすく製品の特色を述べた広告よりも、消費者の興味をより引きやすいものです。

息の長い架空のキャラクター バービーを知ればわかる!

命のないビニールのおもちゃにすぎないバービー人形は10億体も売れただけでなく、半世紀以上もいき続けています!ある時は客室乗務員、ある時は医者、またある時はロックシンガー。常に時代の最先端を歩いてきました。衣装もその都度新しくし、ボーイフレンドのケンとは別れたりひっついたり。2人の恋の行方にはいつもやきもきさせられます。その「人生」の出来事は持ち主より何十倍も色鮮やかなものでしょう。それはすべて製造元のMattelが商品にまつわるストーリーを語ることで創り出した価値なのです。 Mattelは商品に命を吹き込むだけではなく、マーケティングの手法も時代に合わせています。 2004年のバレンタインデーにバービーはなんと43年も付き合ってきたケンとの別れを宣言。オーストラリアのサーファーBlaineがバービーのハートを射止めました。そして今年、ケンはついに沈黙を破ってバービーとやり直すために、インターネットで「みんなの力で彼女の心を取り戻そう-Should Barbie take Kenny back?」というイベントを行いました。 このイベントではネットで投票や書き込みをするほか、人気サイトを大量に動員。Facebook、Twitter、Foursqure、YouTubeが一堂に会し、ケンを後押ししました。 イベントのメインページのデザインはとてもシンプルで、投票システムと投票結果の表示となっています。投票はYesとNoの二択。賛成が多ければメーターが最高レベルの「ケンこそキミのソウルメイト」に近づきます。反対の場合は最悪の「考えるだけ無駄」のどん底へと向かいます。 ▲http://barbieandken.com/ ▲投票結果の表示 http://barbieandken.com/ ケンのツイッターには製造元マテルのキャンペーンや製品情報は書き込まれません。ケンのバービーへの思いや愛の告白です。またみんなにバービーのツイッターにコメントしてもらったり、大ファンのLAレイカーズの試合やエスクァイア誌最新号についてコメントしたりしています。 またケンはアメリカのソーシャルサイトMatch.comに登録して、自分の趣味や興味、パートナー探しのデータを書き込んでいます。もちろんMatch.comのマッチング結果にはバービーも入っています。 ▲ケンのフェイスブックにはたくさんの書き込みが http://www.facebook.com/OfficialKen#!/OfficialKen?v=wall そして位置情報サービスのFoursquareでは、ケンとバービーが現実世界のあちこちでチェックインして、現在地の情報を発信しています。例えば、ケンはニューヨークのメトロポリタン美術館からチェックインして「バービーは不滅のアート作品を何時間でも見ていられる。ボクならバービーを何時間でも見ていられる。」とコメントしています。 ▲Huluで放送のリアリティー番組 マテルではネットでのバーチャルなイメージ作りのほか、現実世界でも消費者とのコミュニケーションに取り組んでいます。ニューヨークの街角でケンそっくりの男性モデルを使ってケンの様々なキャラクターを演じさせ、マンハッタンで行われたファッションパーティーに参加。そのほかHulu.comではリアリティー番組を放送。Genuine Kenとしてどこにでもいそうな普通の8人を集めました。番組の中では料理やサーフィン、独身アパートのインテリアなどの腕前を披露してもらい、「全米一のボーイフレンド」の称号を争いました。 http://www.hulu.com/genuine-ken-the-search-for-the-great-american-boyfriend 簡単でわかりやすいイベントのメインページからフェイスブック、ツイッターでの告白、ケニーやバービーの足跡をたどるFoursquare、友達と出会えるMatch.com、リアル版ケンのファッションパーティー、そしてベストボーイフレンドを選ぶリアリティー番組まで、すべてがビニール人形の販促のためだとは想像もできません。しかしだからこそ誰もがケンやバービーが命のないおもちゃであることを忘れて、肉体を持った人間として扱い、ウォールやツイッターにも熱心に書き込むのです。 動かないおもちゃが永遠に20歳のままで、動き、音声、映像を組み合わせたオンラインゲームがあれば、もっと簡単に消費者の心に響くイメージを作れるのではないでしょうか?バービーを見ればその答えが見つかるかもしれません! ——– 筆者について